今回、紹介させてもらうのは、人形師のホリ・ヒロシさんです。
NHKの「日曜美術館」に約3年ぶりに出演されました。
綺麗で妖艶な白い顔に切れ長の目をした人形と人形師・ホリ・ヒロシさんの見事な人形舞で、劇を観た人々の心を感動させてくれました。
しかし、人形舞の創設者として一世を風靡したホリ・ヒロシさんには、大事なパートナーであり奥さんの堀舞位子さんの存在もあり、別れもあったようです。
そこで、こんな素晴らしい人形劇を創ったホリ・ヒロシさんについて、皆さんに知ってもらいたいと思い、今回のブログを書きました。
まずは、ホリ・ヒロシさんの事を知らない方のためにプロフィールと経歴から紹介させて頂きます。
人形師ホリ・ヒロシさんのプロフィール
人形作家・衣装デザイナー・人形師
生年月日 1958年1月1日
血液型 O型
出身地 神奈川県
職種 文化人
趣味・特技 日本舞踏(吾妻流名取)・仕舞(観世流)・ダンス
幼少の頃より、人形作りに意欲があり独学で作り始め、ついには青山学院大学在学中に「楊貴妃」が創作人形公募展に入選されました。
その次の年には「福助猿」が日本創作人形協会で優秀賞を受賞し、人形作家の道へ本格的に入られました。
活動の範囲は、日本のみならず海外20ヵ国45都市、ニューヨークやロンドンなどの舞台で多数公演され、国内外で高い評価を受けています。
日本では数々の受賞もされています。
1978年 青山学院大学在学中『楊貴姫』創作人形公募展入選
1979年 『福助猿』日本創作人形協会優秀賞
1987年 着物文化賞
1991年 人形舞創設により東京都民文化栄誉賞を史上最年少で受賞
そして、ホリ・ヒロシさんが25歳の時に、20歳年上の堀シャーロット舞位子さんとご結婚されました。
奥様・舞位子さんについて
新潟県出身。
ドイツ人の父と日本人の母を持つ。
夫・ホリ・ヒロシさんの舞台公演の構成・脚本・演出と幅広く手がけ、人形舞の新しい世界を確立させてきました。
享年80歳でした。
ホリ・ヒロシさんと奥様・舞位子さんとの別れ
舞台演出家として、常に夫 ホリ・ヒロシさんと二人三脚で歩んでこられた奥様・舞位子さんですが、堀夫婦については、
「人形の後ろにはホリ・ヒロシがいるけれども、ホリ・ヒロシの後ろには黒衣の堀舞位子がいる。」
と言われるほど、人形舞にとってもホリ・ヒロシさんにとっても重要な存在であったんですね。
21歳年上だった舞依子さんにとってホリ・ヒロシさんは、夫であり、子供であり、親友であり、戦友だったとおっしゃられていました。
しかしそんな堀舞位子さんは、今から3年前の2018年に亡くなられたとの事です。
その当時、ホリ・ヒロシさんは愛する奥様が亡くなられたことによって、深い喪失感があり、仕事や作品創りに意欲が無くなったそうです。奇しくもその少し後に、コロナの蔓延によって活動の自粛もあり、活動休止されていました。
そして現在...
奥様・舞位子さんの死から3年が経ち、現在は愛する人を失った痛みと向き合わなければと新作へと踏み出されています。
家内を丁度、亡くしてから3年たつんですけど、ちょっと深い喪失感みたいなのも実はあって、ここ2,3年、何かに突き動かされて作りたいって実は思わなかったんですね。
コロナという事もあって、活動も自粛して外へも出られぬって言うと、外からのエネルギーが入ってこないんですね。
世界全体が悲しみで覆われているところなんですけど、それを自分から癒していく、誰かから与えてもらおうというのではなく、自分から癒していこうという。
それにはやっぱり、何かひとつ作ろう。
死というものを乗り越えた、無限なる命みたいなもの。
果てどない所に飛んでいけて、次元も超えて…
気持ちが動いたきっかけが、金沢の善妙寺の釈迦の母・摩耶夫人の像に、舞依子さんの面影を見出し再び人形舞に取り込む決意をされたそうです。
今後のホリ・ヒロシさんの活動に、この先の見えない世界の人々の光になるような人形舞が見れることを期待しています。
ホリ・ヒロシさん作の人形について
ホリ・ヒロシさんが人形舞で作られている人形は、「張り子細工」という手法で作られているそうです。
「張り子細工」とは、型に紙を貼り重ねて成型し、糊が乾燥してから型を抜き取り塗装仕上げしたものだそうで、中が空洞なので仕掛けを入れることができるようです。
人形の衣装も生地の図案からデザインし、髪型、髪飾りに至るまで全てホリ・ヒロシさん考案の作品だそうです。
人形の大きさは身長約170㎝、重さ18〜23kgもあり、一回の演目で1時間30分程あるため、体力作りもされているそうです。
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